Study Planets 休校中の活用事例

南山大学附属小学校

 新型コロナ感染拡大の影響を受け、全国の小中学校の多くが休校を余儀なくされました。学校へ行けない環境下では、家庭でどのように学習を進めていくかが大きな課題となりました。名古屋市の南山大学附属小学校様では、家庭学習の課題のひとつとしてStudy Planets を活用いただきました。その活用方法と、休校中に見えてきたことについてお話を伺いました。

【2020年7月29日現在】

休校期間中の学習方法について 松浦 典文 副校長

松浦 典文 副校長  緊急事態宣言が2月27日に発出され、本校は2月28日から休校となりました。休校中の対策については3月中に校内で検討し、4月から決定したことを随時ご家庭へ伝えていきました。その後も継続的に学校の対応策を配信していました。基本的に家庭学習になりますので、教科書を読む、授業や動画の配信を見る、ワークシートや練習問題を解くなど、1週間単位で学年ごと、教科ごとに取り組む内容をプリントで配信しました。学習コンテンツに当たるStudy Planets は、課題プリントとして実際には4月20日から使い始めました。取り組むプリントはPDFで家庭へ配信。印刷してプリントに書き込み、答え合わせをして学校へ提出するという方法で使いました。Study Planets では1、2年は国語・算数、3年から6年まで4科目に対応しており、コンテンツ量が豊富です。単元が細かく区切られているので、先生はその中から適宜必要な科目、単元を選ぶことができます。プリントを一から作ることを考えると、労力はだいぶ軽減できました。その分先生は、配信する授業であったり、子どもに与える学習内容を考える時間に充てられたのではないかと思います。
 プリントの進め方は、別途ご家庭へ伝えました。スモールステップでひと単元でも複数枚のプリントがあるので、「〇割できたら次のプリントへ進もう」というように正答率をあらかじめ指示しました。間違えたときは類似問題のプリントへ進みます。最後にその単元のチェックプリントがあり、終了となります。解いたプリントは学校の先生へ提出します。分量、レベルともに本校には合っていたのではないかと思います。システムはそれほど複雑ではなく、サーバーがダウンして使えなくなることもなかったので、先生方にとっても大きな問題がなく快適に使用できました。

 休校中は、やはり子どもの精神状態が一番気になりました。家庭の状況や環境によって差はありますが、子どもが意欲を失ってしまい、学びに向かう力が低下し課題に手が付かなくなることもありました。本校では、少しでも子どもたちに生活リズムを整え学びに向かえるように、時間割を作り、決まった時間に授業のライブ配信を行うなどの工夫をしてきました。現在は学校が再開し、先生が直接子どもに声がけできる状況にありますので、学習意欲も取り戻しています。やはり学校に来て、先生がじかに子どもに接することができる環境は大きいなと実感します。Study Planets は普段の学校生活でも活用できるのではないかと、現在探っているところです。

これからの時代に学校として備えておくべきこと

 学校に通えない状況になったとき、個々に完全に対応することは難しいかもしれません。それでも個別最適化にどれだけ近づけていけるかは、課題のひとつだと思っています。子ども一人一人の実態に応じた学習課題を設定していくこと。これは学校や先生が与えるだけではなく、子ども自身が設定できる体制をどう整えるかが問われるのではないでしょうか。Study Planets は、その子の状態に応じ躓きがあると類似問題のプリントができますし、単元や学年を跨いで振り返り学習をすることができるシステムになっています。また、自分で取り組みたい教科や単元を選択してどんどん進めることができるのも良い点だと思います。
 結局は、子どもが求めているもの、興味関心があるものに対してどんな材料を与えていけるのかですね。自由研究や総合的な学習に繋がるものもそうですが、答えがひとつでない学びもあります。最近は「学びを止めない」ということばをよく耳にしますが、もし学校へ来られない状況になっても、その子の可能性を伸ばせる環境をどうやったら作ることができるか、そのことを考えて準備しておくことが求められると思います。
 今回、色々なメディア、ICTのツールを複合的に使い、新しい試みを行ってきました。デジタルとアナログ、それぞれの良さを生かして学びを深めていけたらよいと思いますね。 (2020年7月29日時点のお話です)

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