子どもたちの学力向上にむけて学校に何ができるのか、現場教師が何をすべきなのか…。山形県酒田市にある亀ケ崎小学校・学校長大谷智之先生はこれまで多くの学校をご経験される中で、「すべては子どもたちの学力向上ために」のゆるぎない思いをもとに、子どもたちはもちろん、先生方とも真摯に向かい合い、ご自身の理想とされる教育現場の実現に尽力されています。学校長として妥協のない率先垂範を実行していらっしゃる姿と現場で実践しておられる阿部寛樹・研究主任に今回は取材させていただきました。
アイテムとの出会い
「アイテム」はいつお知りになられたのですか?
大谷校長
「アイテム」を初めて知ったのは平成18年頃、学校に「アイテム」のご案内が届きました。それを見て面白いと感じ、すぐに研究用教材として購入しました。しかし、教務主任だったために授業をする機会はなくて、同僚の先生方に紹介する程度でした。
「アイテム」を使ってみようと思われたきっかけは?
大谷校長
平成25年、新任校長として小規模の学校に赴任しました。子どもたちは落ち着いており、宿題として出されていた家庭学習もほぼ提出していました。担任は授業にも工夫を凝らしており、いつ参観しても集中して授業に取り組み、子どもたちの発表する姿があり、温かな雰囲気もあって、安定した学級経営の成果がでていると感じていました。
しかし、学力は私が期待していたほどではありませんでした。原因がどこにあるのか、担任とも話し合いました。学校から出された宿題は必ずやる。でも、それ以上はやらない。真面目に授業に参加する。でも結果が伸びない、となると他の原因があるのではないかと思いました。
当時、毎月1回校内で漢字と計算のテストを実施していました。持っている「漢字ドリル」や「計算ドリル」から問題を作成し出題。その結果に親も子どもたちも一喜一憂することがあることを感じていました。そのこともあって子どもたちの宿題は、漢字と計算の反復練習が中心となっていました。この家庭学習を変えなければ、改善はないはずだと考えました。
その材料として「アイテム」をと考えられたのですか?
大谷校長
はい、そこで頭に浮かんだのが、算数では「アイテム」でした。宿題は必ずやってきたので、宿題として難易度の高い問題を子どもたちに与えれば、学力が向上するのではないかと考えました。しかし、年度途中ですでに「漢字ドリル」や「計算ドリル」を購入してましたから「アイテム」をすぐに購入させることはできませんでした…。「アイテム」は次年度から購入するとし、その前にこの良さを使う子どもたち・教員・保護者に納得させる必要があると思いましたね。
そこで考えたのが、教務主任が「アイテム」の問題を参考にしながら、毎週、1年から6年までA4用紙1枚に2~3問を活用や探求のページから問題を書き写し、宿題として出すということでした。ただの宿題プリントとしてもインパクトがないので、「算数大魔王」とキャラ付けをして「算数大魔王からの挑戦状」とし、そのプリントを宿題にしました(笑い)。教務主任が全校児童分の丸付けをして、児童に戻し、担任に負担はかけないように配慮しました。しかし、それは小規模校だったからからこそ可能だったのかと思っています。
二つの大魔王
「アイテム」の活用や探求のページから宿題を「算数大魔王からの挑戦状」プリントとして子どもたちに与えられたのですね?
大谷校長
はい。これまでは計算練習が中心の宿題になっていて、文章題(立式させる)や、レベルのやや高い問題に触れる機会が少ないのではないか。算数の楽しさを感じていないのではないかと感じていました。そこで、「算数大魔王からの挑戦状」(以下算数大魔王)として、文章題や教科書よりも少し難易度の高い問題を宿題として各学年、毎週金曜日に配付して月曜日に回収し、その後採点をして子どもたちに返す、を繰り返しました。
年度途中から「アイテム」に取り組まれて何か変化、変容はありましたか?
大谷校長
子どもたちはある程度ついて来てくれることは、想像に難くなったです。トレーニングってやや負荷をかけて行うことで効果があるでしょ、学習も一緒です。チャレンジすることが大切で、分かったときの喜びは負荷があるかどうかで全く違いますね。それと、これは想定していなかったのですが、「アイテム」をもとに作成した宿題「算数大魔王」は、保護者に好評でした。子どもが宿題としてやって分からないと親に聞く→親も腕組みをして→分からない時があるんですね。最初は、ただ丸付けしてプリントを返していただけでしたが、ある時、保護者から「算数大魔王のプリントの答えが分からなくて、モヤモヤしていて困る」という連絡がきました。そこで、次の算数大魔王の裏側に解き方を記載して出すようにしました。翌年、学力が少しずつ向上しました。
国語でも独自の取り組みをされていると伺いましたが?
大谷校長
職員とも話し合った結果、学力を高めるために次の点を考えました。問題を読むスピードが遅いのではないか。上位の子なのに思うように成績が伸びなかった子は、国語の前半の文章題を丁寧に読み、最後の問題にまでたどり着けずに、空欄が多かったみたいです。まして、初めての文章を読む力が弱いのではないか。そこで、初めての文章を読む力をつけるために新聞記事を使った問題「新聞大魔王」を2年生から6年生まで配付し、宿題とすることにしました。
算数は「アイテム」という学力向上に向けて目的にあう教材がすぐに見つかったのですが、国語は残念ながらありませんでした。一般紙や読書課題にある本でも良かったのですが、漢字にルビがありません。これでは問題として成立しないので、学校で購読していた小学校新聞を題材にしました。ある程度タイムリーな話題でもありますしね。面白そうな新聞記事を使った問題を出すことで、新たな情報を与えつつ、新しい文章を読む力を育んでいく。漢字だけではない様々な取り組みが、家庭学習で必要な事を保護者に訴えたのです。図書室に様々な興味を引く本を購入しておく、本を朝会で紹介する、読書ノートを使わせることで子どもたちの平均読書冊数は、図書室の年間貸出冊数が100冊に到達していなかった状況が、翌年に120冊を超えました。子どもたちは意欲が育ち、環境が整えば、学ぼうとします。面白いと思ったとき、身近に適切なアイテムがあることで、それを利用していく。それが大切なのではないかと思います。
現任校での意識改革
「アイテム」を知って実際にお使いになったのはこの学校に来られるずっと前だった訳ですね。では、この学校での取り組みについて教えて下さい。
大谷校長
この亀ケ崎小学校は、ある意味で理想的と言っていい学校です。平成27年度本校に赴任しましが、その時から本校の学力は高く、安定した学級経営、ベテラン陣を学年主任として、各学年がしっかりまとまっていました。保護者も地域も学校に対する関心は高く協力的です。地域の教育力の高さ、保護者の方の教育に対する関心の高さが、学力の高さを育んでいると思われます。その環境の中で育った子どもたちの読書に対する関心は高く、年間平均読書冊数は120冊を超えていました。少しの時間を見つけ、本を出して読んでいる。それも毎年の学力調査の高さにつながっていると感じています。現状を変更する必要感があまり感じられない状態にあって、教員も高いレベルの問題集を持たせる必要性をあまり感じていないかもしれないと思いました。
それはすごいですね。それでもあえて「アイテム」を採択しようとお考えになったのはどのような理由なのか教えて下さい。
大谷校長
私は以前から、求められる学力の方向性から考えると、子どもたちの身のまわりにレベルの高い問題集があり、学ぼうとする子どもが誰でもそれを使えるような環境にしたいと思っていました。平成27年度当時、本校の子どもたちが持っていた算数の教材は「ドリル」だけでした。家で問題集を買ってもらえる、塾に行ける、そんな子どもたちはそれでもいいのでしょう。でもそうではない環境に置かれている子どもいるし、家庭もあります。これが本だったら、買わなくても図書館から借りて読めますよね。しかし、手元にある「ドリル」をいくら繰り返しやっても、思考力が高まるように思えないし、楽しさを感じられると思えませんでした。親から買ってもらえなくても、手元にレベルの高い問題集があり、意欲があればそれをやれる、学校をそんな環境にして欲しいと先生方に話をしました。
なるほど、現状に満足せずに更に子どもたちが学ぶための環境づくりを大谷校長先生は求められたのですね。
大谷校長
はい、職員と子どもたちの思考力を高めるためには何をすることが良いのかを話し合いました。各学年でも話し合って、さらに育成部で話し合ってもらいました。後日、話し合いの結果を持って部長が私のところに来て「アイテムは、買いたいという家庭だけでよいのでは」という意見だったとのことでした。理由としては「問題を全部できない子どもがいる」、「教科書にあっていない」、「解けない子どもがいるから」・・・。
本当にそれで子どもたちの思考力は高まり、求められている学力向上が可能なのか、強い疑問が残りました。私はもう一度、話し合うように差し戻しを指示しました。そして「本当に思考力を育てるには、どんな素材を使うのがいいのか。「アイテム」だけにこだわるつもりはない。思考力を育てる問題集を提案して欲しい。」と付け加えました。結果として最終的に「アイテム」を使うこととなりました。採用を決めるまで1年間要しました。前任校のように、「算数大魔王」からスタートすればもっとスムーズに事は運んだだろうかとも思いましたが、400人を超える学校でそれはできないでしょうね。
「アイテム」で学習した内容はどのように確認されているのですか?
大谷校長
平成28年度、全クラス「アイテム」を使用することとなりましたが、前任校と同様に、毎月漢字と算数の校内テストがあります。「計算ドリル」は購入していなかったので、この算数テストの出題範囲は、必然的に「アイテム」からの出題となりました。
6年生の子どもたちは、テスト前になると「アイテム」の問題の解き方が分からず、担任に聞きに来る子どもが増えたと言っていました。親に解き方を聞いても分からない、答えを見ても解き方が書いてない、そこで担任の先生に聞くことになる、という話なんですね。「アイテム」の解説って結構不親切なところもあって…でも、そこがいいんですね。上位の子どもたちは、楽しみながら問題を解いていたと言うことも聞きました。一方で1年生の子どもたちにとって、「アイテム」は、まだ難しすぎるのではないかという意見がありましたが、ある時、いつもは賑やかな1年生のあるクラスが、ほとんどしゃべらずに机に向かい取り組んでいました。何をしているのかとのぞいてみたら、全員黙々と「アイテム」に取り組んでいたので、これには驚きました。賑やかな子どもたちが集中していた理由を担任に尋ねると、子どもたちは「アイテム」が好きで、算数の時間に「アイテムやるよ」と言うと喜んでやっているんですと教えてくれました。平成29年度も全校で「アイテム」を採択しまして、2年目です。少しずつ、子どもたちも使い方に慣れてきたという話を担任から聞いています。
すべては子どもたちのために
亀ケ崎小では「アイテム」一冊で他の教材は使用していないのですか?
大谷校長
学年によっては、並行して「計算ドリル」も購入している学年もあるようです。「アイテム」と並行して、印刷可能な計算プリントを子どもたちに配っている担任もいます。やはり、教科書準拠でないこと、これまで使い慣れた「ドリル」でないので宿題として出しにくいという意見も担任から寄せられています。しかし、「アイテム」は教員が授業の参考にしたり、問題を作ったりする上での参考にするという点はあるようです。さらに算数に興味をもつ児童にとっては、より深くとりくめる環境となり得えます。学力の向上は、思考力が向上した後、それに引きずられるように知識や技能が向上すると思っています。私は担任(先生)が宿題を出しやすいために、教材があるのではなく、子どもたちの思考力や表現力を付けるためにあるのではないかと今も考えています。
最後に大谷校長先生が「アイテム」を通じて期待している理想像があれば教えて下さい。
大谷校長
「アイテム」が授業改善にどのようにつながるか、その点は分かりません。ただ学校長としては、個人や単学年で使うことから、学校全体で使う方向にもっていくことが非常に大切だと思っています。そのためには職員に必要感や成功感を感じとらせなければならないと思います。そうしなければ、担任から使ってもらえないでしょう。担任にどのように納得してもらうか、良さを実感してもらうかが、一つのポイントとなりますね。あと「使い始めたら、3年間は継続」これは大事です。継続しなければ良さも悪さも分からないですよ。
学力向上に授業改善が必要なことは、職員全員が分かっています。しかし、公立の学校では職員の異動があり、退職もあって、なかなか時間がかかり、思うように結果につながりにくいのです。さらに学級の安定性も大きな問題となります。教師の力量、担任力と同時に、子どもたちのまわりにある教材を整えていくことも、学力向上につながる一つの要素のであると私は考えています。子どもの手元に、教科書といっしょにどんなものが置かれているのか、どんなものがあれば学力向上につながるのか、それらは子どもたちの思考力や力を付けるためにあるのではないか、それを考えて欲しい。教材だけではなく、子どもたち基準で色々なことを考えてもらいたいですね。
子どもたちが持っている勉強に関するもの、何を持っているのかが大切になると思います。子どもたちに、どんな教科書以上の知識を与えることができるのか、その一つが「アイテム」でした。教育に関心が高く、積極的に様々な問題集や教材を与える保護者の方もいらっしゃるでしょう。でも、保護者の方が与えなくても、自分で学ぼうとする意欲がある子どもの側らに、レベルの高い問題集があること、それが大切なのではないか、と思っています。
質問する問題集
授業見学をさせていただいた阿部研究主任にお伺いします。「アイテム」は普段どのように使用しているのですか?
阿部先生
教科書の問題を解いた後に、「アイテム」で易しめの問題を指示して復習的に使うやり方と、「アイテム」の難しい問題の数値を変えて、みんなで解いた後に本編の「チャレンジしよう」をやらせる挑戦パターンの2通りですかね。
「アイテム」で数値を変えみてみんなで解くということですが、どんな効果があるのですか?
阿部先生
【導入】や【確かなものにしよう】は自力でも解けたりするのですが、【活用】や【探求】のページにある問題は説明が必要です。まず数値変えて、みんなで考えて解くことによって考え方の筋道が見えて、そして本編の問題にあたり自分の力でも解けるんだっていう自信にもなっています。私たち教師の側からも普通の「計算ドリル」と違って文章題になるので、授業でも使いやすいし、面白い問題も結構あります。数値を変えた改題を先に解かせるということは、当然、私自身で事前に「アイテム」の問題を見て、解いてみたりしています。
「アイテム」は授業だけで?宿題では使わないのですか?
阿部先生
宿題は一人勉強(一人で勉強)2ページ、国語と算数の基本的なプリントです。子どもたちの中で「アイテム」やってくる子は3分の1くらいです。他は漢字練習をしたり、歴史の人物調べをしたり、色々で自分の好きなことをやってきます。「アイテム」をやってくるんですけど、やはり、解答を見ても分からない、という子も結構います。解答を見ても分からないので、解説も見て(読んで)、あと家の人に聞いてとか、そんな風に「アイテム」をやっていたりしてますが、「アイテムのここが分からない」と授業中にも聞いてきたりもしますね。普通の「計算ドリル」ではそういう質問はこないのですけど、アイテムだと答えを見ても分からないって質問はきますね。たまに、解説があまり親切でないところがあるので理解できないこともあるようです。でも、それが逆にいいんですよ。
あまり親切ではない解説がいいのですか?先生に質問が集中しませんか?
阿部先生
ポンと答えしか書いてないところがあったりして。4×4×4とか書いてあるだけ。「なんで4を2回かけるんだ?」と言いながら、解答見ても分からないというときに、「これはこれでこうだ」とかって、周りにいる子がちょっと話してくれたりしています。授業が残り5分ちょっとで「アイテム」をはじめたりすると、特に活用や探求のページやるときに、子どもたちは解きながら後ろ向いて、「なんでここがこうなの」って言いながら取り組んだりしてます。普通のドリルタイムだと黙々って感じで、自分で丸付けしてそれでOKとなるのですけど。「アイテム」はやはり、周りと話をしないとなかなか解けないドリルみたいな感じで。そこで交流があっていいかなと思っています。
「アイテム」の問題はすべて解けない子どももいると思いますが保護者の方の反応は?
阿部先生
5月に家庭訪問したときに、「今年は計算ドリルでなくてアイテム使います」と話したら、ある子の親に「じゃあ基礎基本は完璧なんですね」と言われました。保護者にとってドリルっていうのはやはり細長い、定番ドリルだって思っているので、「なんでこれに変えたのですか」という話は結構されます。「いえ、そういうことではありません。文章題のように考えて解くような問題にいっぱい触れるっていうことが重要なんです」と説明をしました。保護者の方には中学校の問題集持って帰ってきたみたいな感じに取られたのでしょうね…。
「アイテム」を使用して二年目だそうですが、子どもたちの変容をお感じになりますか?
阿部先生
はい。文章題に対する抵抗感も少しずつなくなってきたということはありますね。よく授業でも文章題を解くときは、答えまで行かなくても、中学校や高校入試でもあるように「ここまで分かった」ということを書いてみて、とよく言いながら授業をしています。子どもたちは「アイテム」のここまでは出来たけど、ここから分からないと話していますね。そうしたことからテストするときにも、白紙ではなくて、まず1行2行と少しずつ解き進めて、ここまで分かったと過程を書くようにはなってきたと思います。そこは一段二段レベル上がったと感じますね。
阿部先生が「アイテム」に触れられての感想、先生自身の使い勝手はいかがですか?
阿部先生
使いやすいと思いますね。自分の勉強にもなってます。この問題が教科書と似てるかもしれない。これなら子どもたちも、もしかして解けるかもしれないということで、授業を組み立てる材料に役立てています。最初は教科書でやるんですけど簡単な問題とかが多くて、教科書が結構早く終わってしまって、その後「アイテム」を使います。授業でも使えますし、子どもも一人勉強で解けるし。あと【授業で分かる】は使います。非常に使いやすい内容です。【スペシャルアイテム】もやりましたね。結構、本質的な面白さが子どもたちを刺激するように感じます。
アウトプットがやる気を刺激する
月一回行われるチャレンジテストがあると先ほど校長先生にお聞きしたのですが、子どもたちが「アイテム」を行う動機づけになったりしてますか?
阿部先生
やはりチャレンジテスト(校内テスト)があるというのは大きいですよね。テストがあって、それを「アイテム」から出題しています。テスト範囲は、「アイテム」何ページから何ページねって。そこで力試しをしています。6年生は1、2週間前にページ数だけ教えて、あとはもう自分で勉強してくださいって。たまに一人勉強で「この問題分からないです」と書いてくる子がいると、じゃあと、みんなで解いていたりします。「計算ドリル」だけだと、そのテストも計算問題中心になってしまうのですけれども、やはり「アイテム」で範囲指定されると文章題が出せます。ほぼ文章題ですね。あと下の計算練習から10問くらい出します。1問2点の全50問を1時間でやってます。問題選びは、その学年の先生方が協議して決めます。4年生くらいから問題数が算数は50問になります。昔は「計算ドリル」からの出題でチャレンジテストもやっていたので、何日か前にちょちょっとやれば結構合格とか出たんですけど、「アイテム」からの出題はやはり、計画的にやらないと。だから一人勉強2ページというときもやはり、「俺、チャレテの練習する!」とかって言ってくり返し解いている子もいます。テストが始まる前にも、ちょっと5分間勉強していいよと言うと、「ここ分からない」って子も出てきて、「そこ私解るよ」と助けあったり、子どもたちの中でもそういう意識の変化というのがあるんですよ。
最後にお聞きしますが、「アイテム」のよりよい使い方はありますか?
阿部先生
試行錯誤しながら使っている段階です。アイテムは書き込みで使っています。これだけ本が厚いと、子どもたちが提出してきたものを職員室で積み上げて丸付けるのは大変です。ですから、基本的には子どもたちが解答を見て自分で丸付けをします。で、答えが分からないという発言がやはり出てくるってことですね。なので、この「アイテム」をくり返しやってる子はいますね。くり返しドリルじゃないんだけど、くり返し何回も解いてみるっていうことをしてる子はいますね。子どもたちは、いろんなところに計算を書き込んだりして、書き込みで使うなかで、「なんかやった感がある」、「充実感がある」ように見えます。「勉強やってるな」って感じが子どもたちにもありますね。
School Data
〒998-0842
山形県酒田市亀ヶ崎2-3-55
児童数:473人
①それぞれの子どもが自分の解き方を考えます
②グループで色々な解き方を見つけ、話し合います
③様々な解き方や考え方を取り上げ、クラスで共有します