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日本教育新聞「アイテム」企画特集連動取材

日本教育新聞「アイテム」企画特集連動取材2022

日本教育新聞企画特集記事では、大阪府・和泉市立南松尾はつが野学園を取材させていただきました。
はつが野学園では、『i・tem算数』を昨年から全学年でご使用いただいております。
杉前洋校長先生、学力向上担当の竹邊智也教諭にお話を聞かせていただきました。

日本教育新聞企画特集取材記事(2022年1月17日付)と併せてお読みください。

つながる学園・オーセンティックな姿勢

日本教育新聞記者:

はつがの学園様には独自の指導方針があるとお聞きしました。

杉前校長先生:

本学園では「つながる学園・つなげる学園」ということをテーマに掲げています。具体的には「課題とつながる」「他者とつながる」「自分とつながる」という「3つのつながる」を授業づくりでは意識しております。1つ目の「課題とつながる」は、教員が子どもたちにとって考えたくなるような課題を提示することです。2つ目の「他者とつながる」は他の子どもと必要に応じて対話しながら、課題解決に向け挑戦することです。3つ目の「自分とつながる」はその時間の学びを自分で振り返ることです。そして、子どもがいかに「オーセンティック(自分事として課題に取り組む)」にできるかを大事にしています。また学習面の「オーセンティック」な取組みが自然と日常生活につながってほしいと教員はいつも願っています。

記者:

本日拝見させていただいた授業で理解の早い子どもと、順を追って1つ1つ理解させる必要がある子どもがいましたが、それぞれの子どもとっての「オーセンティック」とはどのようなことですか?

竹邊教諭:

理解の早い子にとっては、班でまだ理解が出来ていない子に寄り添う場面が大切な時間です。相手が何に困っているのかを一緒に考えながら問題をとくといった互恵的な学びも他者とつながる学びの一つです。一方でわからない子にとっては、「何が自分はわかっていないのか」を考え、「きく」ということが必要です。お互いに「自分事として捉える」ことを小学生のうちから取り組んでいます。

杉前校長先生:

「自分事として捉える」ことの例では以下のような場面もありました。
「i・tem算数」に「羊が牧草を食べることができる面積を求める問題」があります。
その改題を作り「鎖につながれた狼を置いて、羊が安全な場所はどこか」という問題をある先生が子どもたちに投げかけた場面を見ました。問題としては面白いのですが、子どもから「先生、この問題はありえない。狼が鎖につながれているわけないよ」という声が上がりました。

記者:

確かにそうですね。

杉前校長先生:

日常生活に近い課題を自分ならどう考えるかが「オーセンティック」に当たると私は思います。この子はいつも日常生活とつながりながら課題と取り組めているからこそ出てきた意見だと思います。

「つながる学園」と『i・tem算数』

記者:

御校の「つながる学園」の指導方針と『i・tem算数』はどのような点が共通項として見出せましたか?

杉前校長先生:

『i・tem算数』は、子どもたちにとって挑戦できる「課題」が詰まった教材だと思いました。子どもたちが易々と解けてしまう問題ばかり解いていても子どもたちの成長にはつながりません。

竹邊教諭:

全国学力・学習状況調査結果を毎回分析して、子どもたちの学力向上には何が必要なのかを考えた時、算数においては『i・tem算数』のような「課題」は大切だと感じます。
『i・tem算数』の導入前までは、計算ドリルを使用していましたので、発展学習にあたる挑戦する「課題」は教員が自分たちで作問していました。『i・tem算数』を採用することで先生方の「働き方改革につながる」と思い、他の先生方にも紹介をしました。実際に「活用」「探究」のページから授業や宿題の「課題」を出すようにしています。家庭学習において、計算ドリルはパターン練習なので、最初の1問を解ければ次の問題もできますが、最初からつまずいた子はもうお手上げになってしまいます。『i・tem算数』は、導入部分に丁寧な解説があり、解答解説を読むことで「探究」のページにも挑戦できます。他の子と相談しながら解くことができる点もいいですね。

(左)杉前洋校長先生 (右)学力向上担当 竹邊智也教諭

(左)杉前洋校長先生
(右)学力向上担当 竹邊智也教諭

『i・tem算数』を使用後の変化

記者:

『i・tem算数』を導入する前と後で変化はありましたか?

竹邊教諭:

2021年の全国学力・学習状況調査で「算数の勉強が好きですか?」という質問に多くの子どもが「好き」と答え、「将来、社会で役に立つと思いますか?」との問いにも「役立つ」と答えた子が多かったです。「学習したことが普段の生活で活用できないか考えますか?」という問いにも、全国よりも「考える」と答えている子が多かったです。
また、全国学力・学習状況調査において、問題の解答が白紙の子どもが減ったのもよい傾向ですね。子どもが意欲的に問題に向き合うことができている証拠だと思います。

杉前校長:

コロナ渦で休校になっていた頃、保護者から「子どもが家で『i・tem算数』を勉強しているがわからない問題があります」と電話がかかってきました。教員は「お子さんはわかるところまでを頑張って自分で取り組んでいます。その姿勢は素晴らしいです。わからない部分は休校が明けたら学校で先生や他の子と一緒に考えましょう」と話しました。わからない問題に取り組むことの大切さを保護者に説明して納得していただきました。わからない問題にチャレンジする姿勢が徐々に身に付いて来て、学力アップにもつながっているのではないかと思います。
単元によっては授業中に『i・tem算数』の「探究」ページから取り組ませることもあります。「探究」から入って、子どもたちが自分で学びながら「導入」「習得」ページで学習する公式や定理の意味を理解していき、基礎が定着するという学習方法もあります。ややハイレベルな問題から入り子どもにチャレンジさせることが大事であると考えています。

記者:

子どもたちの更なる飛躍が楽しみですね。本日は貴重なお話を聞かせていただき、また子どもたちのご様子を拝見させていただきありがとうございました。

School Data

大阪府・和泉市立南松尾はつが野学園
大阪府・和泉市立南松尾はつが野学園
大阪府和泉市はつが野6丁目45-1
児童数(前期課程):393名
学校長:杉前 洋

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