磐田市立東部小学校
家庭学習を中心に、自主的に進める
具体的には、どのような場面でお使いになっていますか?
家庭学習と授業中の両方で使っています。計算ドリルも、上の問題も、進捗表を作っています。家庭学習を中心に、計算ドリルはどんどん進めるように言っています。計算ドリルが終わった単元は、上の問題を解きます。
まだ一学期なのに、ずいぶん進んでいますね。
計算ドリルの部分は、毎週月曜日に5ページ分をやって提出させています。夏休みの課題にも出すので、2学期が始まるまでに、計算部分はほとんど終わらせることができます。
上の問題も、家庭学習で?
これも表を作っていて、グレーのところは必修ページです。必修ページを優先してやるように指示をしています。やったところに付箋を貼って教えてくれるので、そこをチェックして返しています。
先生にチェックがもらえるとうれしいですね。
それに加え、表を塗りつぶせる、という嬉しさがあるのではないでしょうか。表を塗りつぶしたいから、このページも挑戦してみよう、やれば案外できるかも、という気になるようです。
手ごたえのある問題に、みんなで取り組む
授業中にはどのように使われていますか。
今習ったことができているかどうか、アイテムを開いて確かめたり、グループで問題に挑戦したりします。
グループで取り組むのですか。
単元によっては、グループ学習を取り入れることがあります。アイテムの活用・探究問題を取り上げて、15分あげるからみんなで解いてみよう、と課題を与えます。グループのみんなが、解き方を説明できるようになることを目標にします。グループごとに、にぎやかに議論していますよ。一人で考えても分からなかった問題も、みんなでやってできれば、「すごい、できた!」と自信になります。
アイテムの成果
計算ドリルの部分では、いろいろな問題にランダムに取り組むことになるので、以前習ったことを忘れにくく、計算のスキルが定着すると感じています。また、探究問題は難しそう、と敬遠していた子が、頑張って挑戦するようになります。解けた子のところに聞きに行ったり、「これ解けたよ!」と報告してくれたりするようになります。
菊川市立小笠東小学校
隙間時間の活用で、基本問題を押さえる
活用場面を教えてください。
「練習しよう」や、「確かなものにしよう」は、ちょっとした隙間時間に使っています。例えば、授業中、5分余ったとしますよね。そのときにアイテムを開いて、「今日はここを習ったから、この問題をやってみよう」と指示を出します。授業中に時間がなければ、下校する前に少しだけやらせることもあります。「この3問だけ今やろう。3問ならすぐできるよね」というように。
短時間で集中して取り組んでいるのですね。
そうですね。「練習しよう」のところだけ、「確かなものにしよう」の上半分だけなど、一度にやる問題数は多くありません。一回にやる問題数が少ないほうが、子どもたちもやる気が出ます。たとえ数問であっても、時間をとって取り組ませると、子どもたちの理解の度合いが見えてきます。
活用問題、探究問題への取り組み方
活用や探究の問題の活用方法を教えてください。
探究問題は、子どもたちが考える体験をするための材料だと思っています。解けた子は教えたくてしょうがない。解けなかった子は教えてもらえる。友達が解けた問題を、自分も解けるようになりたくてがんばる。そんな様子が見られます。問題演習の時間に、「この問題、教え合っていい?」と聞いてきますよ。
活用・探究問題では、どうしても取り組めない問題が出てくるかと思いますが。
買った問題集は何が何でも使い切らなきゃ、という考えにとらわれがちですが、そうではない。全員がすべて解ける、ということを第一に据えてしまうと、反対に算数の得意な子が置き去りにされてしまいます。それは良くないですね。アイテムについては、全部解けていないからだめだ、というわけではありません。算数の得意な子がもっとがんばれる問題がある、ということです。
アイテムの成果
子どもたちが、探究問題をおもしろがって、教え合ったり、議論したりするようになります。それから、難しい問題を見ても、逃げなくなると思います。とりあえず何か書いてみよう、知っている決まりが使えないかな、と、その場で考えるようになります。
静岡市S小学校
授業、宿題、朝の15分で、アイテムに取り組む
活用場面を教えてください。
朝のモジュールの時間、授業中、宿題の3つの場面で使っています。
モジュールの時間があるのですね。
本校では、15分間の朝学習の時間が設けられています。算数の日にはアイテムに取り組むことが多いです。10分で問題を解いて5分で丸付けをするなど、問題を解く時間と丸つけをする時間を区切ってしまいます。途中まででも、できたところまで丸付け をして、残りの問題は自分で空き時間を見つけてやるように言っています。時間を決めて、短時間で集中してやっているところがポイントです。
授業中には、どのような使い方をされていますか。
教科書の練習問題がはやく終わった子には、退屈しないようにアイテムをやってもらいます。その間に、ゆっくりな子のフォローに回れます。この点がとにかく便利ですね。また、アイテムの問題をメインにした授業をすることもあります。アイテムと教科書を見比べて、アイテムの解説のほうが分かりやすいな、と思ったときや、今日は演習量を増やす授業にしたいな、と思ったときは、教科書の代わりにアイテムを出して授業をします。もちろん、教科書の内容をしっかりと押さえる日もあります。
アイテムを教科書の代わりに使うというのは、新しい使い方だと思います。
アイテムで授業をすることの利点は、机の上に1冊出せばよいところです。ノートに問題を書き写す時間もかかりませんし、目移りもしないので集中できると感じています。プロジェクターにアイテムを映しながら解説をすることもあります。
臨機応変に使う
ストレスなく、いろいろな場面で上手に使われていることがうかがえます。
ストレスなんて全然ありません。無理して使っているわけではないですから。子どもたちも、アイテムを渡した当初は、ドリルとの違いに少し戸惑っていたかもしれませんが、「じゃあ、今からアイテムのこことここを10分でやろう」「ここまで宿題でやってこよう」などと指示を出せば、スムーズに取り組めます。時間のある時に、臨機応変に使えばいいと思います。
アイテムの成果
難しい問題に挑戦したい、という気持ちは多くの子が持っていますから、アイテムは、その好奇心をうまくくすぐってくれると思います。家で自主的にアイテムを進めて持って来る子が出てきます。中学生や高校生が、自分で課題を見つけて勉強するのと同じですね。自主的に問題集を進める、ということは、普通の計算ドリルをやっていたのではなかなか見られないことですね。
1.どのステップまで取り組んでいますか?
3校共通していました。「習得」までは全員で取り組み、「活用」以降は、教師が指定した問題以外は、自学に任せているそうです。
2.ノートは使っていますか?
■東部小:計算ノートを作っています。計算ドリルの進捗表を作り、毎週5ページは進めるようにしています。
■小笠東小:計算ノートを作っています。ドリルに取り組んだ感想を書いて提出します。保護者のコメントがある家庭も。
■S小:計算ドリルの部分は、ノートに書かせています。それ以外の部分は、直接書き込ませています。
3.アイテムプラスの活用法は?
■東部小:磐田市では、期末テストを教師が自作しているので、その問題づくりの参考にしています。
■小笠東小:レベルアップタイムで、AやA+を中心に使っています。BやB+は、家に持ち帰って、自主的に取り組む子もいます。