「アイテム」トップ > 活用校の声 > 日本教育新聞「アイテム」企画特集連動取材 2020 >【Vol.1】主体的に学ぶ力を育てる授業へ 校長編

日本教育新聞「アイテム」企画特集連動取材

日本教育新聞「アイテム」企画特集連動取材2020

1/13号日本教育新聞企画特集記事では、群馬県・みどり市立大間々南小学校を取材させていただきました。
大間々南小学校様では、12年間継続してアイテム算数をご活用いただいております。
時代とともに変化していく中で、先生や子どもたちの脈々と引き継がれている教育方針とは何なのでしょうか。そのお話を伺いたく訪問いたしました。

日本教育新聞企画特集取材記事(2020年1月13日付)と併せてお読みください。

学校・家庭・地域一体で子どもと向き合う教育

日本教育新聞:

初めに、貴校の教育方針や地域の特性、この学校ならではの特色など学校全体の話をお聞かせください。

学校長:鎮西 宏子先生

学校長:鎮西 宏子先生

鎮西校長:

本校では、『豊かな心と健やかな体を持ち 主体的に学ぶ児童の育成』を教育目標として掲げています。特に本年度、校内研修で力を入れているのが、「主体的に学ぶ」という点です。本校では給食後の10分間を学習の時間に当てています。「主体的な子どもの学び」は、その時間アイテムに取り組む子どもの姿勢を通しても見て取っていただけたかなと思います。

令和元年10月26日、本校で創立50周年記念式典がございました。その際『本校の自慢は、昔も今も家庭や地域の教育力です』とお話をいたしました。本校では、スクールサポートボランティアとして保護者の方、地域の方40名が登録下さっています。児童数154名ですからほぼ4分の1になります。今朝も読み聞かせに4人の方が来てくださり、教育活動を支えてくださっています。これが本校の教育力の高さの現れだなと思い、深く感謝をしております。
このような活動は今年始まったことではなく、長年に渡り続いています。今も昔も変わりません。これは本校の大きな自慢の一つです。50周年の式典には地域の方の作品の展示が数多くありました。皆さん自分の作品を見たり、式典を見たりと、賑やかな中での式典ができました。学校、家庭、地域とともに作り上げることが50周年式典の目標でしたが、それが形となり、表すことができたなと思っております。

歴代の校長先生から、「大間々南小学校はステータスのある学校だからね」と言われていました。管理職は長くても3年で異動しますし、先生がたも長くて8年。どんどんと変わっていきます。その中でアイテム算数は12年間継続して活用しています。本校卒業生は二つの中学へ分かれて進学しますが、実際、勉強面で活躍しています。また、南小学校から来た保護者の方は、PTA活動に協力的で熱心だねと言われます。「ステータス」とは、そういうことも含まれているのかなと思いました。学力面のすべてがアイテムに寄るものだとは思いませんが、その一端を担っていることは間違いないだろうと確信しています。

地域ぐるみで子どもたちを育てていく。それが教育力となり、子どもたちの学力として目に見える形で成果が表れている訳ですね。

そうですね。全国学力学習状況調査では、国語、算数ともにみどり市の平均、群馬県の平均を超えています。このように結果を表し、子どもたちに自信を持ってもらうことで学習意欲も向上する、というサイクルがとてもうまく回っていると感じています。

貴校では長くアイテム算数を活用されていますが、学校として使い続けることの狙い、期待はありますか。

アイテムは1単元がスモールステップで構成されています。スタートが基礎基本の問題でも、ページをめくっていくと徐々に発展的な問題へと進んでいきます。私たち教師は、取りこぼしがないように基礎基本の問題、繰り返し学習は手厚く行いがちです。しかし、発展的な問題に挑戦したい子どもたちには手を入れづらい…これは多くの学校で同じ悩みを抱えているのではないかと思います。その点アイテムは見事に編集されています。発展的で質のよい問題は、子どもたちの力をさらに伸ばすのに一役かってくれていると思います。
また先生の業務改善にもつながっていますね。出張などでクラスを空ける時、全ての子どもたちが満足するだけのプリントや課題を用意して出掛けるには時間と手間が掛かります。しかしアイテム1冊があれば、「時間が余ったらアイテム」とすればよいのです。本当に先生がたの業務改善にも役立っています。
もうひとつ、アイテムは先生がたに「この単元では、こういう問題が解けるようになればいいんだ」というゴールを示してくれています。教科書問題にも発展的な問題はありますが、アイテムはもう少しその先、時には何歩も前に進んだ問題があります。「こんな問題を、子どもたちはこの単元を通して解けるようになればいいのだ」という指標を示してくれています。先生がたも、1単位時間45分間の授業の中で「ここにこんな要素を組み入れてみようかな」と参考にしたり、授業改善にもつながっていると思います。

校長先生からご覧になって、子どもたちの様子はいかがでしょうか。

「アイテムは難し過ぎるよー」というお子さんも、いますよ。基礎基本の問題で手いっぱいという子も。しかし難度の高い問題に挑戦をして解けた時、「できた!」という自信が子どもにつくと思います。どの子どもに対しても、基礎基本の問題を繰り返し与えるやり方にはあまり賛同していません。繰り返し説く事で自信が付く子もいるとは思います。しかしアイテムは、1年間通して1冊終わらせることが容易ではありません。少し高い目標を持たせて、高みを目指して子どもたちに努力をさせるということも、大切なのではないかと思いますね。頑張ったから得られる達成感というのでしょうか。アイテムに匹敵する問題集があれば他の問題集も検討するのですが、なかなか見当たらないので。長い間アイテムを採択しつづけてしまうのですね(笑)

長く使うには相応のメリットがある訳ですね。

それはあります。ですから、アイテム購入には廃品回収の収益金の一部を充てています。
1冊970円の問題集が果たして我が子に必要なのか。普通の公立小学校ですから、保護者の思いと学校の思いに温度差が生じることはあります。保護者を学校の思いに引っ張り上げるために、廃品回収の収益金を学校への後援会費としていただいてアイテムを購入しています。勿論、保護者の方へはしっかりと説明とご報告はしています。本校はこのやり方を長く続けてきています。このような工夫をすることで、反対意見もあまりなく続けて来られているのだと思いますね。
もう11年間使っていますから。保護者の方も子どもたちも、大間々南小学校へ入学したらアイテムは使うものだと思っています。お兄ちゃんもお姉ちゃんも使ってきた歴史があるので、アイテムを開いている姿を家で見ると、親も安心するというような。ここでアイテムを使わない決断をすることのほうが難しい。勇気が要りますよね。

地域にしっかり定着されているのですね。

そうですね。他の学校から異動してきた先生には、ドリルタイムにも家庭学習にも自習にも「アイテム」が登場するので驚かれます。中には違和感を覚える先生もいます。しかし使っていくうちに、アイテムは子どもたちにとって必要なものですね、と感じて貰えるようになります。大体1学期とか終わる頃にはすっかり馴染んでいますね。中学から異動して来た数学の先生も「これはいいな」と言っていました。1年分が1冊というものいいです。1学期、2学期、3学期と分冊ではなくて。子どもにとって「この1冊をマスターするぞ!」という手応えがありますよね。アイテムを解いている時は集中していて、子どもを夢中にさせる…繰り返しになりますが、アイテム以上のものがちょっと見当たらない。そういう感じはしています。

主体的な学びと単元系統立てで広がる・深まる学習方法

日本教育新聞:

先ほどドリルタイムを見せていただきましたが、どの学年も同じようにやられているのですか?

鎮西校長:

学年によって進め方は多少違います。子どもが「できました!」と持ってきて、担任が見て、間違ったところには全部付箋を貼る担任もいます。子ども自身が、やっていない問題、分からなかった問題に付箋を貼り、出来たら剥がしていくやり方の学年もあります。どちらにしても付箋をうまく使って「見える化」をうまく使っていますよね。これは担任によってやり方を工夫している部分です。
子どもたちも本当に素直で。付箋を剥がしたくなることもあるでしょうけど、剥がさずちゃんと貼っていて。付箋を減らすことを目標に頑張って取り組んでいるんです。いい姿でしたよね。

残り2.3分は、自分で丸付けをして、間違えたところは赤ペンで解説を写したり、解説の重要なところに蛍光ペンで色を付けたりしている子がいました。もう慣れているなと感じましたし、主体的に学ぶ姿勢が出来ていますね。

そうですね。今日見ていただいたのは6年生なので、子どもたちの中に今までの積み上げがあります。担任によって多少やり方が違ったとしても、習慣化しているのでしょう。
アイテムは、一問一答の単発的な問題ではなく複合的な問題が多いので、今までの既習事項がいろいろ必要とされます。子どもたちは頭の中にたくさん引き出しがあるのだけど、「どこが分からないんだろう」「ここを忘れていたな」と振り返ることができます。複合的な問題に当たることで、知らず知らずのうちに既習事項の復習もできているなと感じます。
私たち教師は、日々の授業の中にそういった場面を仕組んでいくことが大事なのです。アイテムは、現場の先生がたにとってもいい参考書になっています。
もうひとつ、先生がたが算数の系統性を捉える上でアイテムはとても役立っています。横(学年)だけでなく縦(単元の繋がり)の見方がアイテムを通して先生がたの中で出来てきています。「今、2年生でやっている掛け算の導入の一つが5、6年生の単位量あたりの大きさにつながっているんですね」なんて会話が職員室で出ていますから。先生がたの視野、考え方の広がりを感じて嬉しく思います。これはアイテムだけではないのかもしれないけど、アイテムも、その大きな要素の一つを占めていると思います。

「学び」を通して、学校が地域の核となり、子ども、先生も、保護者・地域の方々が繋がる。複合施設になれたら素敵ですね。

本当にそう思いますし、そういう場所にしたいと思っています。

とてもいいお話でした。ありがとうございました。

【vol2.教員編】を読む

School Data

みどり市立大間々南小学校
みどり市立大間々南小学校
群馬県みどり市大間々町大間々884番地
児童数:154名
学校長:鎮西 宏子

パンフレット「アイテム算数のご案内」

パンフレット「アイテム算数のご案内」
価格
ご注文用紙・審査用見本をご希望の方 お申込みはこちらから